こんな鑑賞はいかがですか?

”いつもと違う鑑賞にTRY!”

 ↑これが今回の美術館ツアーの試みの一つでした。

 美術作品鑑賞に慣れている人も、あまり慣れていない人も、鑑賞ってどんなふうにするの?と言われると、案外よくわからないかもしれません。
 今回のワークシートは、その一つの方法としてのひとつの試みです。
 絵をよく観ること、そして印象を言葉に変えることが目的です。

 お題は二つ。
  「シャガールの『テルトル広場』をよく観てみよう!」です。
 もうひとつは、「あなたの好きな絵をおしえてください」です。


 まずはシャガールの『テルトル広場』。みんな共通の一枚の絵についてよく観てみました。
 
 1.この絵を見て最初に感じたことは?たとえば「おもしろい」「きれい」「ふしぎ」…
 2.よく観てみよう!何が描いてある?どんな色が使われてる?一つひとつあげてみよう!
 3.上級編です!この絵はどんな時のどんな様子を描いたのかな?物語を考えてみよう!
 4.もう一度この絵の感想を考えてみよう!


 この順番で観てみたら、最初の印象から段々見方が変化して、深く鑑賞できた気がします。
 たとえば、赤と青のコントラストが鮮やか(過ぎる…)この絵の最初の印象は「こわい」「不気味」「赤い!!!」。でも一つ一つよく観るうちに、前景の女の人を大事そうに抱く人に気付き、とても優しく愛情に満ちた絵に見えてきた、という感想がありました。
 私は3.「神の前での愛の誓い」の場面が物語として浮かびました。
 
 次に好きな絵についてです。

一番好きだった絵はどれですか?
・その絵を見てどんな気持ちになりましたか?それはなぜでしょう?
・よく見てみよう!何が書いてある?どんな色が使われてる?一つ一つ見てみよう!
・その絵を他の人に説明するとしたらどんなふうに言いますか?
・どうしてその絵が好きなのだと思いますか?
 

 みなさんにうかがうと、ある意味意外な絵がお気に入りということでした。
 
 シスレーの『積藁』が一番好きだったという小学生のマコちゃん。
 大人のチョイスですね。優しい色合いがよかったのかな?
 マコちゃんmamaはダリの『テトゥワンの大会戦』をあげてくださいました。
 以前訪れた時にもご覧になったことがあったということですが、館長さんの詳しいご説明もあり、改めて発見があったとのことでした。ガラの力強さが印象的だともおっしゃっていました。
 
 ちなみに私はアンリ・マルタンの『牡丹の花瓶』。
 部屋の片隅に置かれた花瓶に、だれかの私宅に温かく迎えてもらえたような気持ちになりました。

 画家の意図など、正解は別にあるのかもしれません。
 でも、自分なりの受け取り方があってもよいと思います。小説や映画と同じように、美術作品もその時々の自分の気持ちが反映されるのだと思います。
 
 美しい作品は、触れるだけで心をリフレッシュしてくれます。
 そして、ゆっくり観て、印象を言葉にしてみることは、一層豊かな鑑賞につながります。
 思いがけず自分と向き合うことにもなるのだな、と思いました。
 素晴らしい作品に何度も鑑賞する価値があることにも改めて気付かされました。

 子供向けのワークシートとして作ったのですが、大人も十分楽しめました。
 みなさんもこんな鑑賞はいかがでしょうか?

 

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by smcf | 2011-11-12 12:11 | 2011年度の活動

「美術館とまちづくり」研究会が、福島県立美術館の楽しみ方や文化的生活の提案などをお届けするブログです
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