桶いっぱいのブルーベリー!

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現在、福島県立美術館で開催されている「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」展には、画家の代表作を含め多数の名品が展示されています。その中でも、福島つながりのみなさまにぜひぜひ観ていただきたい作品をご紹介します。

それは、《パイ用のブルーベリー》(水彩習作、1967年、丸森芸術の森所蔵)。

なにやらうす暗い空間に置かれた、取っ手のついた古びた桶。中には、ブルーベリーが山盛りいっぱいにつまっています。そこにあたっている光は、建物の窓あるいは扉のすきまから差し込んだものでしょうか。ブルーベリーは、背景の暗さと対照的に、とても鮮烈な青い光となって眼に飛び込んできます。桶の使い込まれたような質感もとてもいい感じです。

ここではミュージアムショップで売られている作品のポストカードを、ミニミニイーゼルに入れてみました。もちろん画家の筆遣いや息遣いは、オリジナルの作品でしか味わえないものです。水彩だからこそ出せる微妙な色のニュアンスを感じに、ぜひ展覧会へ足を運んでみてください。

図録の解説(p.104)から画家とブルーベリーのつながりについてのエピソードをご紹介しましょう。

ワイエスは、オルソン・ハウスに住むクリスティーナとアルヴァロの姉弟を30年間に渡り描き続けます。彼らが住んでいたメイン州は、アメリカ北部のカナダ国境に近い州。ブルーベリーは、全米一位の収穫量を誇っていました。アルヴァロは手足の不自由な姉を介護するため、野菜畑を手のかからないブルーベリー畑に変え、その収穫で生計を支えました。そして、クリスティーナは弟が摘んできたブルーベリーを使って、しばしばパイを焼いたということです。

そんな話に想いを馳せると、ワイエスの桶いっぱいのブルーベリーは、つつましく生きるオルソン姉弟の暮らしぶりを象徴するようにも見えるのです。そして、大好物だったというブルーベリーパイに舌つづみを打っている画家の姿も眼に浮かんでくるようです。

さて、どうしてこれが福島つながりなのでしょう?くだもの王国の福島では、ブルーベリーもたくさん育てられているのです。夏になると、ブルーベリー摘みができる果樹園も少なくありません。そんな縁のあるブルーベリーの絵を、地元のみなさんにはぜひぜひ観に来ていただきたいのです!

さて、「美術館とまちづくり」研究会では、このブルーベリーをキーワードに、会期中、ふたつの楽しい企画を予定しています。

ひとつは、市内のカフェやケーキ屋さんにご協力をお願いし、このワイエス展にちなんでブルーベリーを使ったスイーツを作っていただくことです。ワイエスのブルーベリーを観て胸がいっぱいになったら、ぜひ本物のブルーベリー・スイーツでおなかもいっぱいになっていただこうという企画!ご協力いただいたお店には、このブルーベリーのポストカードを宣伝に置かせていただいています。またブログでも順次ご紹介予定。

もうひとつの企画は、美術館前庭でのぷちぷちブルーベリーまつりの開催です。地元の農園のご協力で、観覧者の方々へのブルーベリー苗の先着プレゼントなどを予定しています。日程や詳しい内容が決まり次第、こちらのブログでお知らせしますね。

「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」展
福島県立美術館で5月10日まで開催中
休館日:月曜
*おトク情報
4月中の平日に来館された、
シニア&レディースの方には
割引サービスを実施しています。
詳しくはホームページへ!

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by smcf | 2009-04-19 01:23 | ワイエス展 

「美術館とまちづくり」研究会が、福島県立美術館の楽しみ方や文化的生活の提案などをお届けするブログです
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